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月下氷人

10月26日 编辑 39baobao.com

[《月下独酌四首]李白 花间一壶酒, 独酌无相亲。 举杯邀明月, 对影成三人。 月既不解饮, 影徒随我身。 暂伴月将影, 行乐须及春。 我歌月徘徊, 我舞影零乱。 醒时同交欢, 醉后各分散。 永结无情游,...+阅读

唐のころに、韋固という青年がいた。まだ独り身の気楽さで、あちこちと旅をしていた。そして、宋城というところに来た時のことである。

青く流れるような月光が、立ちならぶ家々の屋根をてらしていた。もう夜もふけて、通りには人かげもすくない。ふと、ある町角で彼は立ちどまった。ふしぎな老人がいたのである。老人は地べたにすわり、そばにおいた袋にもたれかかって、しきりに書物をしらべている。その白いひげにも、ぱらぱらとくる書物にも、青くぬれるような月光が流れていた。韋固は、そのそばによった。

「なにをしてらっしゃるのですか?」

老人は、しずかに顔をあげた。

「わしかね? いまな、この世の結婚の事をしらべているのだよ。」

「その、袋のなかのものはなんですか?」

「ほら、このとおり、赤い縄がつまっている。

これが夫婦をつなぐ縄じゃ。ひとたびこれでつなげばな、その二人がどんな離れたところにいようと、どんな仇どうしの仲だろうと、かならず結ばれるのじゃ。」

韋固はひとり者だった。

「わたしの妻は今どこにいるのでしょう、教えていただけますか?」

とたづねてみた。

「きみの奥さんかね?この宋城にいる。ほれ、この北で野菜を売ってる陳というおばあさんがいるだろう。あれの抱いている赤んぼだよ。」

いい話ではない。それに、そう信じもしなかったから、韋固はそのまま立ち去った。

それから十四年ののち、韋固は相州で官吏になっていたが、郡の太守の娘と結婚することになった。新妻は十六?七で、若く美しかった。韋固はしあわせであった。では、あの老人の予言はやっぱりうそだったのか? ある夜、韋固は妻に、その身のうえを聞いてみた。

すると、妻はこう語った。

「わたくし、じつは郡主の養女なんですの。

実の父は、宋城で役人をしているときになくなりました。

そのとき、わたくしはまだ赤んぼうでした。

でも、やさしい乳母がおりましてね、青物を商いながら、わたくしを育ててくれたのでございます。

陳ばあやのお店を、よく想いだしますわ。

あなた、宋城をごぞんじ? あの町のね、北のほうでしたわ……」 (?続幽怪録?)

また、こんな話もある……。

晉のころ、索耽という占いの名人がいた。ある時、狐策という人が夢占いをたのみにきた。

「わたしは氷の上に立っていました。

氷の下には、だれか人がいて、その人と話したのです。」

索耽は、こう答えた。

「氷の上は、すなわち陽、下は陰だ。

陽と陰が語るというのは、きみが結婚のなかだちをして、それがうまく成立する前兆だな。

成立する時かね? 氷がとけたころさ。」

この言葉のとおり、やがて狐索のところに、太守からたのみがきた。

息子と、張氏の娘を結婚させたいが、その仲人を頼みたいという。その一組は、めでたく結ばれることになった。式をあげたのは春のなかば、氷はもうとけて、春の川は音をたてて下っていた。(?晉書?芸術伝)

この、月下老と氷上人という言葉を結んで、結婚の仲人のことを月下氷人というようになった。だが、青く流れる月光や、澄んではりつめた氷が、この話に纏わっているのはおもしろいことだ。いずれの国でも、そんな夜、そんなころには、若者のはおもわずしらず、未来の美しい妻を夢見るのだろうか。

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